2014年06月09日
唐突にくじらの話をします。
アメリカ合衆国が日本に遠征した理由の一つは、太平洋における船の捕鯨地および補給地の確保であるとされます。
なぜそれほどまでにくじらが重要だったのか。
1850年における合衆国の捕鯨産業の比率は、国家予算歳入の2割近くを占めていたようです。
くじらから取れる鯨油はランプの燃料や蝋燭、石けんの原料に使われ、くじらのひげは女性の装身具や細工物の原材料、洋傘の骨などに使われていました。
日本では食用の印象が強いくじらですが、当時のアメリカ社会では工業や生活用品として一大産業を担っていたことになります。
今日の国際社会では捕鯨に関して賛否両論ありますが、くじらとひと、社会がこれまでどのように関わってきたのかに目を配ると、まだまだ一考の余地はありそうです。
ひすとりえ